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二段階トリミング~心臓悪い子の例
- 2019年11月08日
今回はまたまたトリミングの話題です。
当院のトリミングは基本的にはいかなる状況にも対応したい!を
モットーにしております。
しかし、心臓の悪い子はシャンプー&カットはリスクがあります。病院勤務のときは、トリミング後、倒れて入院になっちゃった犬も
しばしば遭遇したもんです。そういうことが起こると
その後は断るケースが増えてきます。
しかし当院は獣医師が付き添う
日本で唯一であろうトリミングシステムですので、
たとえリスクがあっても可能な限り対応してます!これまで心臓悪い子は、事前の健診で厳しそうな場合は
カットのみの対応とさせていただいておりました。ちなみにシャンプーとカットでは、シャンプーは体に負担が強く、
カットは精神的な負担が犬にはかかります。どういうことかといういと、シャンプーは体を濡らすことで、体温を一気に失います。
それだけに体力の消耗も激しいです。
だから、ドライヤーで一刻も早く乾かす必要があります。
心臓悪い子は血流の低下は心臓への負担が
深刻な事態も招くことがあるので、とくに危険なのです。カットは、バリカンやはさみを使うのでその都度おさえたりするのが、
拘束の嫌いな犬にとっては心理的な負担になります。
とくに歳をとって目や耳に衰えが出るとおさえられることの
不安が出て抵抗します。
その分相手の動きを見ながら、時間がかかってでも
丁寧に時間をかけて行う必要があります。そして、その両方をやるとなると心臓悪い子には
気力も体力もたないことに繋がります。
それで、カットのみの対応になってしまいます。
もちろんカットだけでも飼主さんは満足いただけるのですが、
どうしても毛が脂っぽい感じはとれませんし、トリマーさんいわく
被毛の脂でハサミやバリカンの動きが悪くなりがちで、
やりにくく満足いく仕上がりにはなりにくいそうです。
やっぱりトリミングはシャンプー → カットで初めてキレイに可愛くなれるものです。でも、シャンプーだけなら心臓悪い子でも時間は短いのでできるのではないか?
つまりは、一度ではなく二度に分けて行えばいいのでは?
という訳で、二段階トリミングをやってみました~!トリミングする犬は心臓が悪く、他で断られて当院に相談していただいた。
17歳 シーズーMIX飼主さんは、横に長い高層マンションにお住まいの方で、
エレベーターからお部屋が遠くて、駐車場からお部屋まで歩いて10分近くかかります。初日に行ったときは、シャンプーカット希望だったので
トリマーさんと一緒に伺ったのですが、事前検診でシャンプーカットが
耐えられないレベルの心不全と判断。せめてカットだけでもとなり、ゆっくり状態みながらカットのみ敢行、
若干舌の色が悪くなったりしましたが、その都度休憩しながら無事カット終了。シャンプーは別の日に提案したところ希望されたので、後日再訪問。
シャンプーは即効終わるので、トリマーさんは同行せず私が実施。しかし、シャンプーはいかなるリスク想定しなきゃいけないので、
いざというときに車に戻ってる余裕はない。
という訳で、酸素発生器と緊急セット(蘇生セット、薬剤など)を持参。
ドライヤーかけてる最中に厳しくなったら完璧に乾かなくてもやめてもいい
という条件で、とにかく本人の状態最優先で実施。
途中1回休憩は入りましたが、どうにか全身乾かせて無事完了。
毛がサラサラフワフワに仕上がり可愛くなりました~!このやり方ならイケル!
といういことで、次回は初日シャンプー → 二日目カットという
流れでいこうと思ってます!
他で断られてる犬でも当院は可能な限りお受けいたしますので、
皆さん遠慮なくご相談下さい!
トリミングでここまでリスクを背負う必要があるのか?って突っ込みが入るかも
しれませんが、私はこれからも積極的に対応し続けます!!人間も犬もいくつになってもキレイで可愛くいたいもんじゃないですか~
訪問アニマルクリニック浜口