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自宅点滴
- 2015年11月16日
弱っていて食欲がない、
吐いていて口からものを食べれない、
下痢嘔吐が酷く体液を失ってしまった、
腎不全や糖尿など体液を失う病気をもっている・・・等診療現場では点滴を必要とする場面は沢山あります。
我々の現場では、点滴というと大きく分けて2つあります。
1つは、人間と同じ様に血管に直接滴下する静脈点滴。
もう1つは皮膚と筋肉の間にある皮下という場所に
(例、動物の背中のたるんだところ)
点滴液を注ぎ込んでおいて、少しずつその周辺組織から
体液として吸収させていく皮下点滴です。通常、通院(通宅?)の場合は後者の皮下点滴でも大丈夫なことが多いです。
これは、点滴液を皮下に注ぎ込むのに10分かからないので、
お手軽で、動物にも負担がかからずとっても便利なやり方です。しかし、吸収能力に個体差があったり、
体温が低いときは吸収されにくくなったり、という欠点もあります。吸収されないでいるとその部位を痛がったり、
化膿したりすることがあるので注意が必要です。往診専門でやっていると大概は皮下点滴を希望されるのですが、
先日診た脳の神経症状で倒れてしまった
高齢のゴールデンレトリバーの飼主さんは
「少しでも可能性があるならば・・・」と
静脈点滴を希望されました。通常、静脈点滴の場合、チューブをつなぐので、
サークルやケージのなかで行うのですが、
今回は横になって動けない状態なので、玄関で実施。
血管を確保し、点滴装置につないで24時間×3日間点滴しました。この間は、飼主さんに見てもらっていたのですが、
付きっ切りで大変だったと思います。残念ながら、静かに息を引き取られましたが、
自宅でやれる最大限のことをしながら、
最期を迎えられたという点では多少の貢献はできたかな?
と思ってます。自宅点滴の際は点滴装置をお貸しして行うのですが、
点滴装置って操作の仕方が難しいのでは?と思っている方・・・安心して下さい!
使用マニュアルをお渡しして親切丁寧にお教えさせていただきます。訪問アニマルクリニック浜口