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老衰
- 2015年09月15日
当院がもっとも遭遇するといえるのは「老衰」です。
一言で「老衰」といっても、実際はそれにいたる経過でいろんな病気が絡んで、
最後に限界が来た段階での結果であることが多いです。
だから、常に一緒に生活する室内飼いの小型犬で、
動物病院によく行くような子にはあまり言われない状態です。
しかし、外飼いで大型犬ともなると「餌を食べてる」=元気
という風に思ってしまいがち・・・
しかも大型犬ともなると性格も陽気で元気に見えてしまう。
そして、犬自身も飼主の前ではぎりぎりまで元気に振舞いがちです。
老衰で一番多い飼主さんの言葉は
「元気だったから病院はほとんどいったことがない・・・」です。
そして、呼ばれる段階になると「急にグッタリして、倒れてしまった・・・」という感じです。
途中いろいろ経過があったのでしょうが、
あえて「老衰」というくくりで良いと私は考えています。
ただ、ここで難しいのが治療です。
いろいろできることを説明し、最大搬送入院から、最低でも室内に入れてあげて
保温をしながらの自宅点滴を勧めるのですが・・・
飼主さんは「もう歳だからあまり苦しませたくはない・・・」と治療は希望せず・・・なんてことも
冬は特に体温が下がりまくってる状況なので、外での治療はできることは皆無・・・
結局、自分ができる提案は、「苦しませたくないなら、せめて暖かい部屋に入れてあげて
残りの余生を過ごしてあげてください」という答え
獣医師として、これではいけないかもしれません
でも、犬の気持ち、飼主さんの気持ち、治療を考えたときに
結局、せめてお部屋のなかに・・・となってしまう
犬の本音はわかりませんが、病院に入院して病院で亡くなるよりは
幸せなような気もするし・・・
でも獣医師としてはほとんど役割を果たしていないなぁ~
といつも切ない気持ちで帰路に着きます
このスタイルで病院をやっている以上、最も多く遭遇する症例である「老衰」
もっとしっかり最後の延命こそ、ペットにとってもっとも大切な時間であることを説明して、
きちんと仕事をさせてもらえるようがんばらなきゃと常に格闘の日々です
訪問アニマルクリニック浜口